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自社サービス「Maskii」の
失敗から学ぶ
【運用編】

Maskii
Maskii

はじめに

先日【開発編】の記事を公開しましたが、その続きになります。

今回はサービス終了の直接的な原因となった運用面で失敗と、その反省から学んだことを書こうと思います。

商品の選び方について

基本的に「印刷できるもの」に限られていたので、選択肢はそんなに多くありませんでした。そのためいくつもサンプルを作って「実際に使ってもらえそうな商品」「プレゼントして喜ばれるような商品」を選んでいったつもりです。実際には全然使ってもらえなかった売れ残りの商品も多数ありましたが、すべての商品が満遍なく売れることはないと思っていたのでそれはそれで普通のことかと思います。全部が売れ筋ってことには絶対ならないので。商品の選び方については妥当だったと思っています。

商品構成について

では「商品構成」についてはどうか。

これについては良くも悪くも印刷がメインなので似たり寄ったりのものを同じ売り場で同じ量だけ売る、みたいな曖昧な構成になっていたかなと思います。この店の推しは一体どれなの?っていう。売れそうなものだけ同じ量だけ集めて並べて置いちゃう、という小売では初歩的なミスがあったのかなぁと。もう少し工夫した商品構成が必要だったと思います。例えば、見せ筋の商品「1メートル以上の特大サイズの高級フレーム入りの特注キャンバスプリント」みたいな、誰が買うねん!みたいな商品をこっそり販売してみたり、安くて利益にはならないだろうけど売れる見込みがある「年賀状・ポストカード」などを売りたい商品と混ぜてみたり。この例が正解とは全く思いませんが、売れていないし流行っていないのにサービスが始まってから終わるまでほぼ全く商品構成を変えずだったので、せっかく自社で始めた「ものを売ること」について考える機会を放棄していたことは自身の中で大きな反省かと思います。

言い訳として残るのは「商品構成変えたところで果たして売れるの?」「今の在庫はどうするの?」「新商品の部材を仕入れて入稿できるようにするまでシステムや工場の調整でコストがかかる」という否定的な見方です。保守的な考えから、いろいろな変化を避けようと考えてしまっていたのか、またはコロコロ状況が変わることを恐れていたのか。そんなつもりはなかったですが、アクセルで前に進むというよりはブレーキをかけていたところが自分の中で少しあったかもしれません。

あと最初から社長に商品構成をすべて任せていたので、自分ごとになっていなかったことも悪かったと思っています。

やっぱり自分ごとにならないと説得力もないし、周りを動かす力も自分を動かすモチベーションも上がらないものですよね。この気持ちの上手い持っていき方が必要だったなと思います。

商品の価格と商品価値のバランス

商品構成だけでなく、商品価格についても考える余地がありました。

Maskiiの平均単価は税込3000円弱ほどで、他の大手のプリントサービスから見るとかなり高めの金額設定でした。同じような価格帯でプリントサービスをしている企業もありましたが、そういったところは商品の部材そのものが良い素材を使っていてプリントしてもオシャレになるようなものだったり、価格が高い分その金額に見合う「商品価値」を付けて販売していたように思います。

自分ごとになりますが、僕は以前スーパーの鮮魚コーナーで働いていたことがあります。その当時、入社して間もない頃に上司からよく言われました。

「魚はどこで買っても海で獲れるものやから一緒。いかに工夫してうちで買ってもらえるようにするかが大事。同じ値段でもあしらいとか商品を綺麗に見せる細やかさ・丁寧さ。刺身の盛り方1つ・商品の並べ方1つで売上は倍変わる。それだけで『いつも綺麗な刺身並んでるから』ってまた来てくれるお客さんはいる。おまえが刺身を切るのと先輩が刺身を切るのでは売れてる数が全然違うやろ?」

それからは休みの日にいろんなスーパーや百貨店で刺身を見て勉強して、原価の高いものはトレーの色を変えて高級感を出してみたり、あしらいに添えるきゅうりの新しい切り方を先輩に教わったり、他店の職人さんを見て刺身の切り方を盗んだり、盛り付け方を直接上司に聞いたり。そういう努力をして上司に「刺身はおまえ以外やと売上落ちるからおまえに任せる」と言われるまでになりました。

僕がしたことは「商品を綺麗に丁寧に作ることで商品価値を付けられるように努力した」だけです。結局それがお客様に支持されることで全体の売上にも貢献できました。

全然関係ないような話に思えますが、これは魚に限ったことではなくすべての商品で同じことが言えるんではないかと思います。Maskiiでも梱包を丁寧にできるよう極力がんばりましたが、やはりもっと設定した価格の中で努力できる部分があったのではないかと思います。普通の商品に「3000円」という価格に見合う商品価値をいかに付けられるか。どうしたら手に取って喜んでもらえるか。価格に見合わない商品しか売れないのであれば商品価格を下げるのか、セールを打つのか。そういった「商売」について本気で考えきれていなかったんだなと反省しました。

セールなどの施策について

Maskiiがセールを行ったのは、サービス終了が正式に決まった最後の1ヶ月だけでした。最後だけやってみて思ったのは「なんでもっと早くやらなかったんだろう」でした。笑 これも結局は、上に書いたことと同じで「商売」について本気で考えきれていなかったことが要因だと思います。

価格を50%以上大幅に下げて売りましたが、思ったより反響があって想定以上に売れました。利益はほとんど残りませんでしたが、やはり「売れる価格帯」があるということが最後の最後になってわかってしまったのは残念でした。ずっと定番価格で初回クーポンだけ付けていて一向に売れずでしたが、その手法より大々的にセールと銘打ってやってしまう方がずっと効果がありました。また、モノが売れることで初めて、いろいろなことがわかってマーケティングができるんだなと改めて思いました。

インスタグラムのハッシュタグで抽選応募イベントや、学生団体のコンテストの景品に使ってもらったりと小規模イベントでサービスの周知をちょこちょこやっていたのですが、結局最大の反響があったのは最後のセールという皮肉な結果になりました。イベントに合わせて赤字覚悟でセールとか大々的にやってしまえば良かったかもしれませんね。

ただ結局のところは、お金の問題です。

うちは零細企業でとにかく利益を残すこと、損しないことが最優先になってしまっていたのが、結果サービス終了に繋がってしまいました。利益どころか損益に繋がってしまった感は否めないですが、やはり生活がかかっているので、下手したら多額の損益が出るかもしれないような大きな一手は「悪手」と思ってしまって手を出すことを躊躇してしまいました。

今となっては、小手先でなんとかしようとせずに、時には物事を大胆に推し進める「胆力」みたいなものが必要だったなと思います。

メディアについて

Maskiiではブログではないですが、定期的に「アーティストのインタビュー記事」を投稿していました。
具体的には、Maskiiの商品と親和性のある写真や絵などを扱うアーティストと対談し、仕事のことや実際にMaskiiの商品を作ってもらい手に取ってもらった感想を聞き、それを公式グッズとしてMaskii上・ブログ記事上で販売するところまでを1記事として、社長が直接、交渉・対談・撮影・商品の販売・執筆まで1人で行っていました。

このメディアに関してはかなり反響があったようで、ある時から記事へのアクセスが増加してMaskiiのサイトにいい影響がありました。

途中からスマートニュースにも配信登録したことで記事を閲覧してくれる人も増え、Maskiiやアーティストさんの認知には大きく貢献したんではないかと思います。

ただ少し失敗したのはやはり「販売に繋がらなかった」こと。

「アーティスト公式グッズ」を売り出したことは良かったと思います。個人で活動しているアーティストさんのアートを手軽にプリント商材で買えるというのはSUZURIぐらいで、Maskiiはそれと違ってインタビューメディアと一緒に売り出すサービスでしたのでけっこう画期的でおもしろいと思いました。

ですが・・・僕らには根本的に商品を販売する力がありませんでした。

サイトを作った責任があるので、僕は直接お会いすることはなかったですが、インタビューさせていただいたアーティストの方々にはせっかく力をお貸していただいたのに申し訳ない気持ちがあります。

ただメディアに関しては比較的しっかり書いていたこともあり良い評価・反響をいただいていたと聞いていました。メディアの方向としてはある程度成功だけど、ものを売ることに繋げることに失敗した、という感じでしょうか。

得られたものとしては、弊社の社長はMaskiiのメディアを通じたアーティストとの交流で、普段接点のない業界から得られる新しい価値観・経験やアイディアが多くあったと思います。今後、SHARESLで他のサービスを始める際にもMaskiiでの今回の経験は必ず活きてくるだろうなと思います。

さいごに

2記事に渡って書きましたが、結局は「商売を舐めすぎた」ことが大きな反省点です。他と同じようなサービスにしたくないとか、他と同じような売り方をしたくないとか、〇〇であるべき、〇〇はつまらないなど、最初からユーザー目線に立たずに感情や主観が入っていたのだと思います。

そして自分の大きな力不足。Maskiiに対して本当に一所懸命、持てる全てを振り絞ったと言えるかどうか。かと言って、そこまで技術も知識も経験もなかった僕にこれ以上振り絞る何かがあったのか?というジレンマ的な気持ちも残ります。

・・・終わってしまったサービスを振り返ると、良いことはなかなか出てこないですね。ちょっとネガティブな記事になってしまいました。

後からはなんとでも言えることばかりなので、反省はこれで終わります!

そしてこれからのことを考えていきます。
Maskiiが終わってから数ヶ月経ちますが、「次は」とか「次のサービスは」ってよく考えるようになったと思います。無意識で次に活かせることがたくさんある、リベンジしたいって思っているようです。

サービスが1つ失敗したからといって、会社がなくなる訳ではないので次の機会が必ずやってきます。また新たなサービスを作る時はこんな反省まみれの記事ではなく、エンジニアとしてどれだけ成長したかを書けるようにしたいと思います!

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